お花畑の農業論にモノ申す
中国による食料・農地の囲い込みや新型コロナウイルスによるサプライチェーン変革、スマート農業をはじめとする先端技術の活用など、世界の食料事情は変革が起き続けている中、「田園回帰」や「農家の保護」といった夢物語の農業論ではなく、輸出入や農地の集約と役割分担、農業経営改革といった予算ありきでない農業政策が求められる。
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2023/02/13 渡辺好明
昨年末に取りまとめられた「食料安全保障強化政策大綱」を、「鳥の目、虫の目、トンボの目」と、見る角度を変えながら注目点を読み解く。その意図するところ、実現への道筋、留意点、乗り越えるべき障害などについて見ていく。
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2023/01/13 熊野孝文
たんぱく質を特殊な加工法で除去した日本発の「低たんぱく加工玄米」が新たな付加価値を持つコメとして、国内外から注目されている。コメの持つ価値を科学的に解明し、生産から商品化まで手掛け、国内外に広める新たな取り組みが動き出している形だ。
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2022/11/04 山口亮子
家畜の細胞を培養して作り出される「培養肉」。その開発に各国がしのぎを削るなか、日本の開発現場はどんな強みを持ち、どんな課題にぶつかっているのか。「培養フォアグラ」を世界で初めて生産したスタートアップのインテグリカルチャーを取材した。
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2022/11/02 熊野孝文
米穀専門小売店はコメの流通規制が撤廃されてから急激に数を減らしている。米穀小売店はそれぞれ独自の路線を模索し、存続しようとしている。また、コメの大切さや美味しさを伝える地道な活動も展開し、お米ファンを増やすことにも寄与しようとしている。
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2022/10/10 渡辺好明
ウクライナ戦争による食料サプライチェーンの崩壊で、日本国内でも飼料価格の高騰が叫ばれている。この対策として、畜産用「子実用トウモロコシ」の生産振興が図られようとしているが、事を急いではいけない。
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2022/10/03 熊野孝文
コメの需要は毎年減り続けているとされ、その需給を均衡させて、価格を維持するために主食用米の生産を減らそうと巨額の税金が投入され続けられている。しかし、農水省が言うコメの需要とは一般人の感覚からすると首をかしげてしまう事例が多い。
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2022/09/20 渡辺好明
政府の「食料安定供給・農林水産業基盤強化本部」は、「食料・農業・農村基本法」の見直しを決めた。この際、正しい理解と共通認識があるようで無い「食料自給率」について、各都道府県と諸外国・地域の数字を比較し、今後の日本の歩む道を明らかにする。
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2022/09/10 熊野孝文
消費者のコメの選択肢を増やすはずの農産物検査法改正が二律背反の結果を招いている。コメ管理のデジタル化で多様な価値を世界へも伝えようとしてい るが、新たな書類の提出などさまざまなデータを検査して入力しなければならない結果を招いている。
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2022/08/11 山口亮子
品種の育成者に知的財産権を認め、その権利を保護する改正種苗法が今年4月、ひっそりと完全施行された。一時〝農家を苦しめる改悪〟だとして反対運動が盛り上がっていたものだ。その喧騒が過ぎ去り、今起きていることとは。
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2022/08/04 熊野孝文
コロナ禍やウクライナ紛争による世界的な穀物相場高騰により、日本米輸出に追い風が吹いている。しかし、日本のコメ産業には制度上、第三者には理解しがたい足かせがはめられており、輸出業者の自由な商活動に支障を来す問題が横たわっている。
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2022/07/23 田牧一郎
米国カリフォルニア州のコメの作付面積と生産量が3年続いた干ばつにより大幅に減少していることがわかった。価格の高騰のみではなく、将来への供給不安はヨーロッパはじめ輸出マーケットにも広がる。日本のコメ産業にとって大きなチャンスとなり得る。
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2022/06/29 熊野孝文
新潟県十日町の星峠棚田に行ってみた。2019年に議員立法で成立した「棚田地域振興法」により進められている支援策の実態を見るためであったが、見聞きしたことは日本の稲作が置かれている厳しい現実であった。
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2022/06/14 渡辺好明
穀物の大輸出国ウクライナでは、戦火により積み出しが不可能となっている。「物流」の途絶・中断が生じている背景には、ウクライナの海外輸出が「黒海沿岸の3地域」に集中していることにあるのではないだろうか。考えられる対応策を列記してみたい。
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2022/06/07 渡辺好明
食料危機が、現実感を帯びてきた。食料の需給ひっ迫状態は今後も続くだろう。日本でも注目が高まりつつある食料危機対応策を万全にするために4つの視点をぜひ加えたい。
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2022/06/04 田牧一郎
ウクライナ戦争に端を発した食料危機が世界で叫ばれている。日本は食料自給率向上のため主食であるコメ生産に注力することが求められる。そのためには、「低コスト栽培」が必要で、ドローン技術による作業効率化と、品種改良への模索が考えられる。
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2022/05/31 熊野孝文
世界的に穀物の価格が高騰している。国内のコメのだけが安いが、いつまでも続くとは限らない。その見通しを難しくしているのがコメの価格がどうやって決まっているかあまり知られていないことだ。日本のコメには、公の市場がない。
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2022/05/09 渡辺好明
産地偽装問題で揺れていた「熊本産アサリ」の出荷が再開された。ただ、食品表示法ができても再三にわたり是正の指示・公表を受けているところから、もはや業界の「体質」「構造」、そのものといわざるを得ない。根本からの対応がないと事態は変わらない。
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プーチンによる戦争に世界は決して屈しない
2022/05/01 本間正義ウクライナ危機による世界的な食料および肥料価格の高騰は、日本にも影を落とす。今こそ、自給率というモノサシに縛られない、真の食料安全保障を実現する政策が必要である。
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2022/04/04 熊野孝文
日本のコメ作りは1972年から続く減反政策で、本来最も重要な多収栽培の技術が衰退したことに加え、耕作放棄地が増え、生産者の高齢化で離農者も急増、生産基盤そのものが急激に弱体化している。今、必要なのは、飼料や工業用として多収穫米である。
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2022/04/03 山口亮子
肥料価格の上昇が止まりそうにない。穀物価格やコロナ禍による輸送費の値上がり、中国による環境保護政策の強化などの要素が絡み合うのに加え、ウクライナ侵略による経済制裁が拍車をかける。化学肥料を漫然と撒く過剰施肥を見直す時期に来ている。
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