世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。
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2023/08/21 岡崎研究所
7月末に起きたニジェールのクーデターに対し、近隣諸国は軍事介入を計画しているなど、混乱は収まる様子を見せない。米国やフランスなどにとっては、イスラム過激派対策やエネルギー政策の観点からも、難しい曲面となっている。
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2023/08/18 岡崎研究所
サウジアラビアとイランの国交回復の仲介に代表されるように、中東で中国の影響力が増大しているが、米国は有効な対抗策を講じることができていない。米国はいっそ、新たなアプローチをとるべきなのだろうか?
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2023/08/17 岡崎研究所
中印関係は2020年の国境紛争を機に劇的に悪化したが、3年間で紛争は沈静化の措置がとられ、貿易量も急回復している。一方で、中国に対する脅威認識が薄れたわけではない。インド外交の多元性を前提に物事を見る必要がある。
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2023/08/09 岡崎研究所
ドイツ政府が公表した「中国戦略」では、中国への見方について「パートナー」ではなく「競争者」「ライバル」に重点を置き、台湾に言及するなど、中国に懐疑的な姿勢が目立つ。だがドイツ経済の対中依存度は高い。戦略が実態を伴うかは不透明だ。
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2023/08/08 岡崎研究所
7月23日のスペインの下院選挙では、極右政党のボックスが議席を減らした一方で、中道右派の国民党が躍進、第一党となり、主流派に返り咲いた。中道右派政党が欧州でおしなべて低迷する中で、喜ぶべき動きとなった。
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2023/08/07 岡崎研究所
エルドアンの権威主義化やロシアからのS-400対空ミサイル購入問題などで、長らく西側とトルコの関係は冷え切っていた。今回、最終的にスウェーデンNATO加盟反対を取り下げたことでトルコは西側に回帰したように見えるが、問題はまだ多い。
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2023/08/04 岡崎研究所
7月17~18日、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)と欧州連合(EU)の首脳会議が8年ぶりに開催された。中南米という巨大市場において中国の存在感は圧倒的だが、後塵を拝した欧州の外交はうまくいくのだろうか。
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2023/08/03 岡崎研究所
7月11~12日のNATO首脳会議では、ウクライナのNATO加盟は実現しなかった。だが戦時下のウクライナでは、元より加盟は困難を極める。注目すべきは、ウクライナに対する支援を長期的に確固とする動きである。
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2023/08/02 岡崎研究所
2024年1月の台湾総統選まで1年を切った。民進党候補である頼清徳副総統は米ウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿の中で、「民主主義をいかに守るか」を語っている。
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2023/08/01 岡崎研究所
大統領選挙の共和党指名争いで、トランプ前大統領のライバルと見られていたフロリダ州知事のロン・デサンティス氏の勢いが急速に失速している。その背景にあるのは、一種のカルトのようなトランプ支持層の特殊性だ。
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2023/07/31 岡崎研究所
膨大なウクライナ産穀物の輸入と世界的な飢餓の軽減を担っていた、黒海での穀物合意から、7月17日、ロシアが脱退した。ロシアはウクライナの港に向かう船舶は軍用品を運んでいると「みなす」と声明している。
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2023/07/28 岡崎研究所
中東ではサウジ・イラン関係正常化、アブラハム合意、トルコ・エジプト間の友好関係の復活と、緊張緩和が進んでいる。域外の超大国が、対立が激化し身動きが取れなくなった結果、域内国が自由に動ける、という矛盾した状況が生じているからだ。
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2023/07/27 岡崎研究所
フランスの大暴動に対し、マクロン政権は問題の根源にある移民系住民の貧困や社会的疎外の問題を直視する必要がある。だがフランス政界では、左右両極の政治勢力がこの問題の政治利用を図っている。
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2023/07/26 岡崎研究所
リトアニアでのNATO首脳会議直前、トルコが同意し、スウェーデンのNATO加盟が実現した。ただその過程で、エルドアン大統領はスウェーデンNATO加盟とトルコのEU加盟を結び付けさせようとするなど、「ごり押し」していたようである。
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2023/07/25 岡崎研究所
7月に開かれた上海協力機構のオンライン首脳会合では、建前は別として、中印露の優先事項が異なることが浮き彫りになった。それぞれの思惑があまりに異なり、首脳会合は開催できてもスピーチ合戦に終わり、実質的協力は進んでいない。
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2023/07/24 岡崎研究所
米国のウクライナへのクラスター爆弾の供与に対し、米国内や同盟国からも異論が出ている。だが、民間人への無差別攻撃をいとわないロシアの排除こそ最優先であり、何より供与はウクライナ自身が望んだものである。
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2023/07/21 岡崎研究所
大統領選が来年に迫る中で、バイデン政権の貿易政策は、民主党左派や労働組合のような自由貿易政策に不満を述べるばかりの貿易論に終始している。残念ながら、バイデン政権は貿易政策なくして発足し、貿易なくして終わるのだろう。
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2023/07/20 岡崎研究所
新型コロナや米国の金利上昇、ウクライナ戦争などで、途上国の債務問題が深刻化している。最大の債権国は中国である。西側と中国の間でグローバルサウスでの影響力が争われている今、債務問題は重要なテーマとなっている。
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2023/07/19 岡崎研究所
プリゴジンの反乱の影響はいまだ流動的であるが、プーチンのリーダーシップが揺らいだことは確実なようだ。ウクライナ戦争が持久戦になればロシアに有利との戦略をプーチンは描いているようであるが、それを挫く必要がある。
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2023/07/18 岡崎研究所
バイデン政権は自由市場・自由貿易を柱とする「レーガノミクス」から、産業政策と市場監視を通じ中間層に恩恵をもたらそうとする「バイデノミクス」へ転換を図る。それが成功するかは分からないが、しばらくは「時代の精神」となるだろう。
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