チャイナ・ウォッチャーの視点
めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリストや研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。(画像:Thinkstock)
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2022/03/06 樋泉克夫
ロシアのウクライナ侵攻から1週間が過ぎ、戦場の状況が報じられるようになったが、戦争そのものの〝実像〟が判然とはしない。関係諸国の対応からは、国際社会は依然として米国、ロシア、中国の3大国、それも最高権力者によって左右されている。
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2022/03/03 高口康太
ロシアによるウクライナ侵攻が全世界の注目を集めている。国際社会がロシアへの批判を強める中、数少ないロシア擁護の筆頭とされているのが中国だ。政府は苦しい立場に立たされているが、一般の中国人は戦争をどのように受け止めているのだろうか。
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2022/02/20 高口康太
「開幕目前の北京五輪 中国では盛り上がってない」とのニュースを目にした方は多かったかもしれないが、開幕すると状況は一変した。ウインタースポーツに無関心だった人もテレビにかじりついている。ここには、中国の世論操作能力の向上がありそうだ。
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2022/02/19 樋泉克夫
北京五輪後の今秋に第20回共産党全国大会を控えた習近平政権が3期目へと継続することは揺るがないだろう。ただ、毛沢東の遺志を深く心に刻んでいると言える習近平の立ち位置は微妙なものとなる危険性をはらんでいる。
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開会式に見る「中国が管理する世界」
2022/02/08 平野 聡「鳥の巣」と呼ばれる中国国家スタジアムを覆い尽くした、北京冬季五輪開幕を告げる緑と青の光。世界はその美しさに圧倒され、「外交ボイコット」をはじめとした論争など忘れたかに見える。しかし、この背後に隠された政治的な意図を深く考えるべきだ。
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2022/02/02 樋泉克夫
冬期北京オリンピックが開幕される。台湾やウイグルといった国際紛争への火種を抱えている上、国内に多種多様な問題を抱えており、中国としても08年の北京夏季オリンピックと同列に位置づけているわけではないだろう。
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2021/12/21 高口康太
〝五輪外交ボイコット〟が世界的な話題となっているが、中国国内では、人気のなかったウインタースポーツを、冬季五輪開催という大義名分を得て、中国政府、スポーツ界、経済界は一丸となって産業拡大へと突き進めている。
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2021/12/03 高口康太
中国共産党は同党史上3回目となる「歴史決議」を採択した。この決議がいったいどういう内容で、どんな意味を持つのかについては腹オチすることは難しい。筆者が注目したキーワードは「錯誤」(中国で「あやまち」の意)だ。
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2021/09/22 平野 聡
中国によるさまざまな締め付けが止まらない。「これは第二の文化大革命(文革)ではないか」との評価もあるが、毛時代、改革開放に次ぐ第三の局面を見せ始めたものと考える。それは、AI・IT時代における「中国化」の名のもとで萎縮してゆく姿である。
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2021/09/03 及川淳子
今年の夏、中国では内陸で豪雨による大規模な洪水が相次いだ。被害の深刻さが明らかになるにつれて、インターネットでは批判や疑問の声が多く見られた。政府の対応からは、豪雨だけでなく、世論動向に対する危機感も垣間見ることができる。
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2021/06/01 樋泉克夫
5月16日、景勝地で知られる杭州西湖の湖畔にキャンパスを構える湖畔大学で、大学を表象化したかのような巨大自然石に大きく刻まれ、鮮やかに黄金に色付けされ光り輝いていた「湖畔大学」の4文字が削り取られた。
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2021/05/20 樋泉克夫
内外における言語教育は、中国政府が一貫して推し進める国策遂行上の重要な柱と言えるだろう。そこで興味を持つのが、中国国内では日本語教育を通じてどのような日本イメージが描かれていたのか、である。
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2021/05/07 樋泉克夫
中越両国が南シナ海の領有問題をめぐって激しく対立している現状から考えるなら、中国との友好を謳うグエン書記長の発言は理解に苦しむ。これが日本人の一般的反応だろう。だが両国関係の歴史に照らすなら、強ち荒唐無稽なお人好し発言とも、なぜか受け取れ…
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2021/04/28 樋泉克夫
習主席は対外強硬から国際協調へと姿勢を転換させたのか。はたまた今次サミットへの参加それ自体がバイデン政権への「屈服」なのか――様々に論じられてはいるが、それはさて置き、ここでは現在の中国の指導者世代が気候変動を含む環境問題全般をどのように…
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2021/04/21 樋泉克夫
改めて中国共産党の一元的支配という問題について考えてみたい。それというのも、中国電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴(アリババ)集団創業者である馬雲(ジャック・マー)が昨秋に「時代錯誤の規制が、中国の技術革新を窒息死に追い込む」と発言して以…
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2021/04/13 樋泉克夫
彼らの世界観は、どのようにして形成されたのか。現在の中国の権力の頂点に立つ7人の共産党政治局常務委員の少年から青年へと成長する多感な時期を、疾風怒濤の文化大革命(1966~76年)の渦中で過ごした。2022年の第20回共産党大会で常務委員…
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2021/04/06 樋泉克夫
彼が毛沢東を信奉しているなら「筆杆子(ペン)」を駆使した宣伝戦略も模倣するだろうに――こう考え、改めて習近平政権成立前夜の中国のメディア事情を振り返ってみた。すると、中国の大国化を強く主張する著作が集中的に出版されていることに改めて気づか…
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2021/03/30 樋泉克夫
はたして「中国の夢」は、習近平政権が思い描いているがままに実現するのか。改めて共産党政権の過去から、この問題を考えてみようと思う。そこで、時計の針を半世紀昔の1971年に戻すことにする。
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2021/03/21 樋泉克夫
「中国の夢」の実現を目指す強力政権の下で、中国の子供たちは、いったい、どのような環境に置かれているのか。ふと考えてみた。それというのも現在を生きる子供たちが、やがて中国の将来を担うことになるのだから。
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2021/03/10 樋泉克夫
3月5日、北京で全国人民代表大会が開催された。習近平国家主席は同大会の内モンゴル代表団部会に出席し「民族団結」を説き、「国家で通用する言語文字工作をしっかりと普及させると同時に、中華民族としての共同体意識教育を広めなければならない」と強調…
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