日本人なら知っておきたい近現代史の焦点
近現代史への関心が高まっている。だが、歴史の授業で十分に学べなかった人も多い。日本人なら知っておきたい近現代史の焦点を歴史上の人物や出来事から読み解く。(Boonyachoat/gettyimages)

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2024/06/26 廣部 泉
人気ロックバンド、Mrs. GREEN APPLEの新曲『コロンブス』のミュージックビデオが炎上した。コロンブスの日を米国連邦の祝日とした直後の70年代ならば問題なかったかもしれない。制作・発表に携わった人々が、90年代以前の常識に基づい…
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2024/03/25 廣部 泉
もはや旧来の枠組みや常識では米国の政治は語ることはできない。そのような現象を「秩序」と「カオス」という切り口をもちいて、米国の叙事詩ともいえるスターウォーズをもとに読み解いてみたい。
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2024/03/20 廣部 泉
アカデミー賞の授賞式がまた物議を醸している。助演男優賞を受賞したロバート・ダウニーjrと主演女優賞を受賞したエマ・ストーンの授賞式での振る舞いが人種差別的であるということでSNSを中心に大きな問題となった。どのような意味があるか、紐解きた…
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2024/03/07 花田智之
1939年、日本とソ連は満州国とモンゴルの国境で武力衝突した。ノモンハン事件である。「事件」との名称とは裏腹に、それはお互いに2万人近い死傷者を出した、歴然とした「戦争」であった。
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2023/12/28 麻田雅文
日本と接するサハリン島は天然資源に恵まれ、戦間期から日露の利害が衝突してきた因縁めいた場所だ。ロシアのウクライナ侵攻を受けての「サハリン1・2」を巡る混乱の通り、今もその構図は全く変わっていない。
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2023/11/04 篠原初枝
第二次世界大戦を防げなかったことから、国際連盟は「失敗」と評されることも多い。だが国際連盟が示した国際機関の意義は、コロナ禍の今こそ顧みるべき重みを持つ。
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2023/10/15 板橋拓己
世界で最も先進的な民主憲法を備えていた、戦間期ドイツの「ヴァイマル共和国」は、やがてヒトラーにより打ち倒される。その理由の一つは、当時のドイツ社会の極端な分極化だ。
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満州事変に至る道 大日本帝国陸軍の素顔(番外編)
2023/05/08 髙杉洋平1931年の満州事変から37年の日中戦争、そして2014年のクリミア併合から22年のウクライナ侵攻。侵略国を抑止できなかったという点で、大日本帝国と現代ロシアはあまりに重なる。そこから得られる教訓は多い。
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戦前経済史講義 なぜ日本人は戦争への道を選んだのか(5)
2023/05/05 牧野邦昭日本は太平洋戦争の結果多くの国富と人命、そして領土を失った。しかし戦後日本はそれをプラスに転じることで、復興、そして高度成長を遂げることになる。戦後の復興構想は、大戦末期の戦中から議論が始まっていた。
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戦前経済史講義 なぜ日本人は戦争への道を選んだのか(4)
2023/05/04 牧野邦昭ブロック経済化が進展する中で、日本国内では「持てる国」英米中心の国際秩序に対し、「持たざる国」日本が同様の「持たざる国」と一緒に挑戦していこうという風潮が広まる。そして、日中戦争から太平洋戦争へと、破滅的な戦争を引き起こし、敗戦する。その…
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戦前経済史講義 なぜ日本人は戦争への道を選んだのか(3)
2023/05/03 牧野邦昭第一次世界大戦後、日本では金本位制への復帰が一つの焦点となる。だが復帰直後に米国から世界恐慌の波が押し寄せ、日本経済は大混乱に。社会不安が高まる中、血盟団事件など日本はテロが頻発する時代に突入する。
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戦前経済史講義 なぜ日本人は戦争への道を選んだのか(2)
2023/05/02 牧野邦昭日本経済にとって第一次世界大戦は「天祐」であった。船舶需要急増や欧州産業の停滞により、日本の工業化を大きく促進し、未曾有の好景気を迎えた。資産を築いた「成金」も多く生まれた。しかし一方で、どれだけ経済発展しようとも「貧乏」は解決されないと…
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戦前経済史講義 なぜ日本人は戦争への道を選んだのか(1)
2023/05/01 牧野邦昭日本経済にとって第一次世界大戦は「天祐」であった。船舶需要急増や欧州産業の停滞により、日本の工業化を大きく促進し、未曾有の好景気を迎えた。資産を築いた「成金」も多く生まれた。しかし一方で、どれだけ経済発展しようとも「貧乏」は解決されないと…
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満州事変に至る道 大日本帝国陸軍の素顔(6)
2023/04/13 髙杉洋平なし崩しに始まった日中戦争に際し、中国はすぐ降伏するだろうとの甘い見通しのまま日本は場当たり的に戦争に臨んでいくことになる。泥沼化する戦争に対し、日本は自己正当化を繰り返し、その中でのロジックが足かせとなり、身動きが取れなくなっていく。太…
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満州事変に至る道 大日本帝国陸軍の素顔(5)
2023/03/14 髙杉洋平常識的に考えれば成功するはずなかった満州事変は、しかし結果として「満洲国」建国に至る。中国の抵抗は乏しく、国際社会の反発は乏しく、国内はむしろ好況に向かった。日本はこうして、あらゆる要素を軽視しながら、日中戦争に突き進んでいく。
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満州事変に至る道 大日本帝国陸軍の素顔(4)
2023/02/16 髙杉洋平莫大な犠牲を出した第一次世界大戦の結果、国際的な平和潮流が生まれ、一方で日本においても軍隊は国民的人気を低下させていった。さらに同時期の「大正デモクラシー」に、日本軍は順応を余儀なくされる。しかし、そうして社会との接点を増やした結果、皮肉…
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満州事変に至る道 大日本帝国陸軍の素顔(3)
2023/01/19 髙杉洋平戦車や航空機など工業製品が戦争の主役となった第一次世界大戦を経て、日本陸軍は「近代化」という重い課題を抱えることになった。さらに戦争の惨状を受け「軍縮」の機運も高まる。この状況に対応していく中で、日本陸軍は大きなターニングポイントを迎える…
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満州事変に至る道 大日本帝国陸軍の素顔(2)
2022/12/20 髙杉洋平日露戦争勝利により日本軍の威信は高まり、軍は政治的にも台頭することになる。だが同時に、日露戦争終結時の日比谷焼き討ち事件を契機に、政党と大衆の力も強まっていく。
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100年続く米国の病「黄禍論」(5)
2022/12/13 廣部 泉太平洋戦争で中国国民党と協力し日本を打ち破ったことにより、ついに米国は黄禍論から解放されたかに見えた。しかし国共内戦による中国共産党の勝利、そして戦後日本の経済的復興により、再びアジアが恐怖の対象として米国の前に現れる。
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満州事変に至る道 大日本帝国陸軍の素顔(1)
2022/12/06 髙杉洋平明治維新以来の日本にとって最大の安全保障上の脅威であったロシアを打ち破った日露戦争。その歴史的勝利後、しかし、増大した軍の政治的影響力の下、日本の軍事政策は迷走を始めていくことになる。
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